出張の機会を利用して,「構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌」を一気に読みました.
バブル崩壊後,低迷し続ける日本経済に回復のメドを付けることもできないまま,短期間で何人もの人が首相の椅子に座り,そして去っていく.そんな状況の中で小泉内閣が誕生したとき,私は「早すぎる」と感じていました.この人が他の自民党の有力者とは何か少し違うこと,もしかすると何かを変えてくれるかもしれない,ということは,私に限らず多くの人が感じていたとは思います.しかし,まだ経済・株価の下降が続き,トンネルの出口が見えない状態で首相になってしまったら,「この人もやっぱり駄目か」と短期間で見限られ,捨てられてしまうのではないか.そう考えたのが「早すぎる」と思った理由です.
しかし現実は… 皆さんご存知のとおりです.株価の壊滅的な値下がりもものともせず,世論をしっかりと味方につけ,解決の糸口の見えなかった不良債券問題に切り込んでいきました.その中で鍵を握っていたのがこの人,竹中氏です.学者から大臣となり,改革の方向性とそれを現実のものにしていく方策を練っていく過程を,その人自らが書き綴った記録ですから,面白くないわけがありません.
私は決して盲目的な自民党支持者ではありませんが,あのとき政権を握っていたのがもしも他の政党であったら,いや自民党であっても,もしも他の内閣だったら,今の日本はきっと違った姿になっていたでしょう.
そんなことを考えながら,行き帰りの飛行機の中で,一気に読み切ってしまいました.
お勧めです.
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